出品作品一覧

賞選考

大賞

⻑澤 耕平

《陸橋の⾵景》

準⼤賞

星野 有紀

《⼀縷の望み》

優秀賞

後藤 夢乃

《ガラテイア》

諏訪 智美

《春待ち》

奨励賞

川﨑 ⿇央

《雷神⾵神 -ところせまし-》

新 直⼦

《over there》

豊⽥ 涼華

《 ʼ18 54(am)》

陳 芃宇

《記憶の形》

主催者特別賞

いのうえ あい

《野を⾷む》

審査員所感

立島 惠(佐藤美術館 学芸部長)

最も優れた作品として長澤耕平「陸橋の風景」が満場一致で選ばれた。その理由には様々あるが、総合的な完成度の高さに括られ、私も異を唱える余地はなかった。準大賞の星野有紀「一縷の望み」はストレートな描写力が際立った。優秀賞の後藤夢乃「ガラテイア」は19世紀フランス象徴主義を模しながらも、今日的なエッセンスが垣間見え、また同じく優秀賞の諏訪智美「春待ち」は、繊細な線の表現と画面構成の妙を評価した。
審査において、「のびしろ」や「可能性」を如何に評価すべきかが議論となった。そんな中注目したのが奨励賞の、川﨑麻央「風神雷神-ところせまし-」と、豊田涼華「’1854(am)」だ。川﨑は、画面内に詰め込められたモチーフが今にも破裂せんばかりのエネルギーの拡散を、また豊田は今まで見たことのない空間把握と、とんでもなく自由な筆致が私の心を動かした。勿論、他の2名の奨励賞、新直子「over there」、陳芃宇「記憶の形」、そして主催者特別賞、いのうえあい「野を食む」についても独自の表現性を感じた。
最後に本賞が掲げている、「若手作家とその活動の支援」とは一朝一夕で成せるものではない。永く継続されることを心より期待してやまない。

大矢 英雄(洋画家、広島市立大学名誉教授)

今の時代に絵を描くこと自体が真剣な行為だが、私は、世に阿ることなく誠実さが感じられる作品を評価した。
大賞の長澤さんの作品は個人的には魅了されなかったものの、その完成度と表現力は一頭地を抜いており、客観的にみて認めざるを得ない。やや硬さを感じたが大作を拝見したいと思う。
準大賞の星野さんの作品には好感を持ったものの、絵の具の扱いや描法には疑問を抱いた。細部に拘らず、調子の美しい伸び伸びとした表現を期待したい。 諏訪さんや後藤さんも素晴らしい仕事だったが、いまひとつ地味で訴求に欠け、描写の力に不安を感じたりした。
作家として作品を描き続けていくことには多大な困難が付きまとう。それでもなお、真摯にこの道を選ぶ若い人達を、私は暖かい気持ちを持って見守りたいと思う。

倉島 重友(日本画家、日本美術院同人、広島市立大学名誉教授)

夢ふくらむ「絵画の筑波賞」展が、多くの協賛のもとに企画され、若手作家への支援を頂けることは創作活動に大きな励みとなることでしょう。 日本画、油彩画、各種画材で具象から抽象まで広範囲の作品が各大学で推薦され己の道に熱意を込めた制作であり、各種多様若き個性的な表現です。 大賞の「陸橋の風景」は、整然とした画面構成でかつ繊細な技術力のある不思議な美しさを感じます。 準大賞の「一縷の望み」は、ポーズや表情、そして微妙な風の動きが、画題につながる情感を堅実な描写力で表現しています。 優秀賞の「春待ち」は、安定感のある構図で春めく水面の雰囲気を表出しています。 優秀賞の「ガラテイア」は、ギュスターヴ・モローが好きでしょうね。熱意を持って挑戦している力強さを感じます。更なるデッサン力が欲しいです。 主催者特別賞の「野を食む」は、作者に本質的に宿っている可愛い心の温もりが自然と滲み出ている感がします。 最後に惜しくも受賞を逃した作品も各々良さがあって、この「絵画の筑波賞」展に出品されたこと自体が素晴らしいと思います。一層の探究を願っています。

玉川 信一(洋画家、二紀会理事、筑波大学名誉教授)

「絵画の筑波賞」の賞選考にあたって、筑波という地域のイメージに即したものであるべきなのか、それとももっと広い意味で捉えるべきなのか迷うところがありました。第1回ということもあって、授賞内容の傾向によっては展覧会の今後の方向性も決まってしまいます。また、二つの大学の日本画・洋画の卒業生を推薦制で募り、比較的小品ということも候補作品が限定的である印象は免れません。とはいっても審査会場に並んだ作品は思っていたよりも多彩で充実したものが多かったのでほっとしました。
授賞は、投票で候補を絞り、意見交換の後、全員の合意で決定されました。大賞から奨励賞までの作品は独自の魅力があり、見方によるとはいえそれぞれ捨てがたいものがありました。結果として順番がついたのは、やはり完成度やまとまりに一日の長があるかどうかでしょうか。具象性の強い作品に票が集まったのも意外でした。

藤田 志朗(日本画家、創画会会員、筑波大学名誉教授)

各大学の四つの研究室から推薦された35歳以下の作家が制作した20作品を拝見して、自分自身の30数年前がふと頭に蘇り、一つ一つの作品に愛情をもって審査に臨みました。一枚の採点表を手渡され、20点中、8点を賞候補として選ぶという事になったのですが、どの作品も各自の個性溢れるテーマを持っており、上手く素材を活かしつつ技術的にも優れた秀作で、選定するのに苦慮しました。 各作品の前に立ち、迷い迷い、感覚的な選び方となってしまった様にも思われましたが、最終的に選ばれた8点の作品には納得出来る点が多くあり、ほっとした感があります。 また、各賞に選ばれなかった作品の中にも独自性をもった魅力的な作品が多くあった事も付け加えておきます。この展覧会が今後も長く継続されて行くことを希望するとともに、訪れる若い人達の良い刺激となり、参加した作家達の更なる制作の発展を願うばかりであります。

会期・会場

「絵画の筑波賞」展 2020
会期/2020年6月10日(水)〜6月16日(火)

会場/西武池袋本店 6階(中央B8)=西武アート・フォーラム
営業時間は、西武池袋本店のホームページをご確認ください。
状況を鑑み、掲載企画を中止、延期とする場合がございます。 ご了承ください。

西武池袋本店ホームページ
https://www.sogo-seibu.jp/ikebukuro/

会場アクセス
https://www.sogo-seibu.jp/ikebukuro/access_info/

主催:筑波銀行、関友商事

共催:ツクバ計画

特別協賛:つくば学園ロータリークラブ、東光台歯科医院、ホンダ茨城南、増山設計事務所

後援:つくば市

協力:東京藝術大学美術学部、筑波大学芸術系